2010年2月14日日曜日

椹野道流「貴族探偵エドワード」

9巻 紺碧の海を渡るもの
豪華客船でスカーレット追跡の旅に出るエドワードたち。その客船にはなんと怪盗ヴィオレの予告状が届いていた。船上での再対決。すべてが終わったとき、ビュトールの「時間割」だったと思うけど、ミステリは探偵が犯人を殺す最後の殺人事件により幕を降ろす、というような悲哀を覚えるエドワードたちだった。

【アイゼリア号】豪華客船。運賃はすごく高い。チーノまで行ける。
【アデル】エドワードの母。
【アルヴィン・ブルック】バルフォアでエドワードと同級だった。天然ボケで飄々としたメガネ青年。でも、発明の才が豊かで、大ヒット作もあり、現在はけっこうな大金持ち。発明王と呼ばれている。執事のパーカーと闘いの日々。クレメンスとは学生時代から気が合わずいがみあってきた。
【ヴィオレ】怪盗。エドワードのライヴァル。あくどい金持ちから盗んだ金品を貧乏人ん配る義賊。庶民の人気は高い。トーヤも贔屓にしている。
【ウノスケ】チーノの人。小屋のようなところに住んで周辺住人の道具の修理などをして暮らしている。なにか使命があるらしい。
【エドワード・H・グラッドストーン】地方領主の息子に生まれたが、首都ロンドラで探偵稼業を始めた。女装したら美女として通用する超美形。性格は正々堂々。
【グラッドストーン家】マーフォードをおさめる領主の一族。エドワードはこの家の人。
【グレゴリー・アトウッド】シーヴァの兄。最近では老齢の父に代わりグラッドストーン家を仕切っている。
【クレメンス・マクファーソン】バルフォアでエドワードが尊敬していた先輩だった。が、魔物をあやつる恐ろしい人に変貌していた。探偵となったエドワードと敵対することになる。現在は・・・
【シーヴァ・アトウッド】代々グラッドストーン家に執事としてつとめるアトウッド家の人間。エドワードの子守だったが、現在は探偵助手。エドワードに一生ついていくつもり。
【ジェイド】ハリエットのアパートで暮らすエキゾチックで美しい色っぽく謎めいた占い師。すごくよく当たるので大物の知人が多い。
【スカーレット・フレイム】力の強い妖魔。エドワードの宿敵。
【チーノ】こちらの世界での日本のような遠い国らしい。
【トーヤ・アカホシ】バルフォア校を中退、エドワードの探偵助手となった東洋の少年。あやしく瞳が輝くとき霊的なものを見ることができる。
【ネコハチ】チーノの人。ウノスケの知人。部屋の中でテントを立てて瞑想する。
【パーカー】アルヴィンの執事。
【バード・クラン】秘密結社的な何からしい。ルーティルが関与している。
【ハリー】シーヴァの父。グラッドストーン家を仕切っているが、老齢ゆえ最近は息子のグレゴリーにかなり任せている。
【ハリエット・マーシャル】エドワードの下宿の女主人。おっとりした未亡人。どうやら怪力らしい。シーヴァと相思相愛のようだが、この恋愛はなかなか進展しない。
【バルフォア】エドワードの母校。トーヤもアルヴィンもクレメンスも同様。
【フェリシア】ヘンリーの妻。
【プライス】ケビン・プライス警部補。エドワードのおかげで登場時よりちょっと出世して現在はロンドラ警察に所属。乱暴な言葉遣いだが、根はやさしく男気のある人物。意外に思慮深くもある。
【ヘンリー】エドワードの長兄。おっとりとおおらかな人。
【マーフォード】エドワードの故郷。グラッドストーン家がおさめている地。
【マイカ・フロスト】プライスが養っている健気な少年。強盗に家族を殺されて孤児になったところを拾ってくれたプライスのことが大好き。本人的には刑事の助手。
【ミリアム】ヘンリーとフェリシアの子ども。
【ユージィン】女装趣味の脚本家。アルメイダ劇場所属。「薔薇の義賊」という、怪盗ヴィオレを題材にした人気劇を書いた。略称ジィン。劇団員からは「オトメ先生」と呼ばれている。
【ルーティル・バード】可愛いおばあちゃん。だいたい300歳くらい。見た目はゴスロリ美少女だがいくらか魔物。
【レナード】グラッドストーン家現当主。マーフォードの領主。領民のことを第一に考える人。エドワードの考え方の多くの部分を作り上げた人。
【ロジャー】エドワードの兄。辛辣な性格だが、じつは兄バカと言えるほどエドワードのことが気になってしかたがない。陽気で呑気者の家族たちの中で唯一愛想がないのはおおらかすぎる家族を心配するあまりそうなったのかもしれないらしい。チャームポイントは眉間の縦皺。理想の女性像は「息を飲むほど美しく、しかも理屈っぽい彼を屈服させるほど聡明な女性」。ジェイドに一目惚れ。エドワードは大丈夫だろうかとちょっと心配している。
【ロンドラ】首都。こちらの世界でのロンドンにあたるようだ。

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